人生の授業 エピクテトスについて思うこと
タイトルの本をざっと読んでみた。
言っている内容としては正しいことを言っている。
例えば、自分次第でないことと自分次第なことを峻別し、自分次第なことに集中せよという思想がある。これは平たく言えば、コントロールできないことは放っておいて、コントロールできるものに集中せよということだろう。まさに正論である。
また、これに関連してこのようなことも言っている。
他人の行動はコントロールできない、コントロールできるのはそれに対する自分の判断だ。
確かに言いたいことはわかるが、実際的な問題として、我々の人間関係においては、他人の行動については自由に評価を変えるということはできない。嫌なことをされたら、悪い評価を付けるだろう。エピクテトスは事実と評価を分けて考えろというが、机上の空論とまではいかないけれども、実際問題、そう簡単に、割り切って人間関係を築いていくことはできないのが多くの人間の性というものだろう。
結論としては、エピクテトスは正しいことを言っているが、それをそのまま、実践できるかといったら疑問が残る。参考にはなるが、実際上の問題をたいして解決してくれないのではと思う。対人関係をうまくやっていくには、根本から変えようとする哲学ではなく、地道に科学的に確立されている認知行動療法、アサーション、精神療法などをやっていく他ないのかなと思う今日このごろである。
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